小学3年生のお子さんが、習い事の年上のお友達の影響もあり、自ら英検の次の級を受けたいと取り組んでおられるそうです!
英検2級受検に向けての、勉強方法の相談をいただきました
小学3年生のお子さん 取り組み状況
・過去問演習中心の対策で英検準2級に合格
・半年後には英検2級を受検したい
・友人に「日本語に訳していたら時間が足りなくなる」と言われた
・「英語で説明したほういい」とも言われたが、そうなのか?
お友達は、「英語の問題」なのだから英語で説明して英語で理解させればいい、そうしないと小学3年生の処理能力では時間内に問題を解ききれない、と心配されているのですね
まず、現在の英検は中学・高校のテストとは異なり、日本語を介さずにすべての設問に答えられる出題形式になっています
ですので、英検対策を進める中で日本語と英語を行き来する必要は、必ずしもないです
年少者には「英語で説明したほういい」のか?
これは、お子さんによります
英会話がネイティブの同年齢レベルのお子さんの場合は良いと思います
今回の質問者さんの場合は、特に母語方式で英語を学んでこられたわけではないので、「英語で説明」が効果的かどうかは疑問です
そして、質問者さんもおっしゃっていますが、日本の家庭ではハードルが高いです
「いちいち日本語に訳させる必要なし」という意見には、賛成です
「分かる」ということと「翻訳する」ということは別の技能だと思います
「英語で説明したほういい」場合と、期待できる効果
教える方が「英語で説明」できて、子供が「英語の説明」を理解できるならば、「英語で説明したほういい」と思います
今回、質問者さんのお友達の意見では、日本語に訳していると解答時間が足りなくなるから、素早く理解するために、親は英語で説明して、子供に英語で理解させた方が良い、と言うことだったかと思います
私は、時間を間に合わせる以外にも「英語で説明」には良い効果があると思います
単語や文章の意味を英語で説明してもらうことで、語彙力、言い換える力が増すと思います
そして、その「言い換え(パラフレージング)」こそが、英検リーディング問題で解答を見つけるために必要となる力です
また、どうしてそういった答えになるのかなどを、英語でレクチャーしてもらえば、先生の論理展開を真似て、「〇〇ゆえに△△」という文章を上手に作れるようになりそうです
これは、英検ライティングとスピーキングでも役立つスキルです
英検2級リーディング問題の説明 うちのやり方
(質問者さんのお友達は4技能すべてについて「英語で」と言われていると思いますが、こちらでは、一番単語レベルが高くて文章も複雑で説明を要する、「リーディング」を中心にお伝えします)
子供が英検2級対策を始めたのは4年生の秋で質問者さんのお子さんより少し年長でした
リーディングの長文問題では、意味のとれて無さそうな部分のみ、私が日本語で説明したり子供に説明させたりしていました
翻訳ではなく、説明です
子供に完全な日本語の訳文を言わせるのは難しいです
間違えた問題にかかわる部分を中心に、
・『誰が○○したのか』
・『△△は充分大きかったのか』
・『○○だったことによって、◻◻出来たのか、それとも出来なかったか』
などの聞き方で、理解度を確認しながら正解に導くようにしていました
「英語で説明」は、残念ながらうちでは成立しませんでした
公立中学校の英語の授業が英語で行われるようになると聞いていたので、その準備をしなくてはいけないと思って英語での説明を試みたこともありました
しかし、子供の拒否が強かったので諦めました
『ママの言ってること、さっぱり分からん』と言われてしまいました
ちなみに、現在(国際コースなどではない普通の)私立中学校に通っていますが、英語の授業は日本語で行われています
「英語で説明」してくれるレッスンもある
家庭では「英語で説明」の対応ができない場合、外国人やバイリンガルの先生のリーディングレッスンを受けてもいいと思います
長男の英検2級対策で家庭教師をお願いしたスクールは、英検4技能の対策をネイティブ講師から受講できるスクールでした
使用教材も、旺文社の「英検集中ゼミ」、「英検予想問題ドリル」、「英検過去6回問題集」など、英検対策のために設計された日本の教材を使ってくれます
(長男は、日本人講師を希望したので、日本人講師(バイリンガル講師)に日本語で指導していただきました。外国人講師と日本人講師のレッスン料金は同じでした)
オンライン英会話スクールでも、英語で英検問題の解説を受けられるとことがあると思います
例えば、ネイティブキャンプでは、「フリートーク」を選択して持ち込み教材でのレッスンが可能です
自分自身は英検一級のスピーチ原稿の添削や面接対策を、子供にはディズニー英語教材の本読みとQandAをやってもらいました
ネイティブ講師と勉強したいのは、スピーキングよりもリーディング
外国人の先生と英検対策というとスピーキング対策のイメージがありますが、私はむしろリーディング対策の方が、外国人の先生と英語でやり取りしながら行う価値があると思っています
英検スピーキングは、出題形式は決まっていますが、その場でのやり取りであるため試験形式が理解されにくいのか、外国人の先生は厳密に英検形式に沿ったレッスンをしてくれない場合が多いと感じています
また、自由回答で採点に幅がある(1問につき、0~5/10/15点)ため、先生、子供、親の誰にも「英検で求められる」正解が分からない中での、先生主導のレッスンとなります
外国人講師の英検スピーキングレッスン体験談
・質問を、聞き返していないのに2回繰り返し読む
・画面共有で面接カードを見せずに面接官の台本を見せる
・Why?/Why not?を子供のYes./No.を待たずに言ってくる
・英検公式の解答サンプルに従っているのに自分のスタイルに直させる
オンラインスクール4社からの実例です。残念ですが、外国人講師との英検スピーキングレッスンではこれが普通と認識しています
日本人講師は、日本で発行されている英検参考書などでスピーキング形式と採点基準をよく勉強しています
なにより、日本人講師や教員は「自分が教えた生徒が、実際に英検スピーキングで何点をつけられたのか」という情報を持っています
私が日本人講師から英検一級のスピーキングレッスンを受けた際に、ほんのちょっとしゃべった後に「あなたの発音は10点満点中7点が付くでしょう。多くの人が、ちょうどあなたのような感じです」と、ピンポイントで判定されて、大変心強く感じました
一方、英検リーディングは印刷されている問題を子供、親、先生が同じものを見ていますし、解答方法は記号選択式で正答が決まっています(1問につき、正解or不正解しかない)
外国人の先生にも試験形式や求められている解答がはっきり伝わり、もし逸脱していても親や子供が気づきやすい分野です
複数の日本人の先生と、複数の外国人の先生の英検スピーキングのレッスンを経験した今、状況が許すなら(通っている学校や塾で機会がある、レッスン費用を払えるなど)、お子さんの英会話スキルに関わらず、英検スピーキング対策には「日本人講師」と行う方が効率的だと感じています
同じく小学3年生のお子さんが英検2級の勉強中のオープンチャットメンバーさんからもコメントをいただきました
日本語に訳さなくても良いという考えに賛成、また、日本語が難しい英検2級単語帳の代わりに使った教材の紹介などをいただきました
メンバーさんのコメントはLINEオープンチャット「小・中学生の英検をサポートする親」の同じ番号のノートから見ることができます