2016年度からの英作文導入とCSEスコア導入により、英検の合否予想が複雑になりました
子供の英検2級過去問の成績を例に、英検一次試験合格に必要な問題正解数(素点)の予想方法を説明します
英検合否判定ルールの基礎知識
英検では、問題に正解した数ではなく、英検CSEスコアによって合否判定がなされます
英検CSEスコアの説明と、各級の合格基準スコアは英検公式サイトのこちらのページをご覧ください
英検2級では、リーディング(R)、リスニング(L)、ライティング(W)、スピーキング(S)のそれぞれのCSEスコアは満点で650です
英検2級一次試験の合格基準は、リーディング(R)、リスニング(L)、ライティング(W)のCSEスコアの合計が1520以上です
英検2級二次試験の合格基準は、スピーキング(S)のCSEスコアが460以上です
合格基準CSEスコアは英検協会が公表している合格ラインであり、英検回によって変わることはありません
(以下、補足)
一次試験の合否は単純にR、L、Wの3技能のCSEスコア合計で判断され、各技能について足切りのような設定はありません(「3技能のバランスよく得点しないと受からない」と言われる場合がありますが、この合計スコアを満たしていれば関係ありません)
これは、スピーキング(S)を含めた4技能を同日に行うS-CBT形式で英検を受けた場合も従来型英検と同じです
S-CBTも一次試験の合否と二次試験の合否が別々に判定され、両方合格で初めてその英検級に合格となります。二次試験のみ不合格の場合は、一次試験免除も受けられます
繰り返しになりますが、注意として、S-CBTであってもスピーキングのスコアは二次試験の合否判定にのみ反映されます。つまり、スピーキングが満点でも、一次試験合格のための補填にはなりません
英検合格見込み、合格必要点の計算方法(CSEスコア換算)
自分で確認できるのはリーディングとリスニングの英検問題の正解数です
英検合否判定基準は英検CSEスコアです
このため、合否見込みを知るためには正解問題数(素点)とCSEスコアの換算を行う必要があります
正解問題数(素点)とCSEスコアの換算について英検協会が正式に出しているデータはありません
英検受検者の実績を集めて公開している英語教室さんのサイトから、近い数字を探して拾ってきます
ただし、英検回によって換算が異なるため、複数の換算例をみて、おおよそのCSEスコアを予想することしかできません
このとき、正解問題数(素点)とCSEスコアの換算で参照する数字は、必ず、調べたい級と技能(R/L/W/S)の数字を使ってください
(以下補足)
正解問題数(素点)とCSEスコアの値は比例関係ではなく、また英検問題によっても変わります
2020年度第一回英検の中でも、本会場、準会場(金曜日)、準会場(土曜日)などのそれぞれで、同じ20問正解でも、そのときのCSEスコアは同一とは限らないという事です
問題の難易度のブレを吸収してCSEスコアが決まる仕組みになっているようです
リーディングとリスニングの現状から、ライティングに必要な点数を調べる
英検2級過去問成績例
リーディング 38問中17問(45%)リスニング 30問中17問(57%)
こちらの英検2級本番2か月前の過去問結果について、みていきます
CSEスコア換算を見られるサイトから、英検2級について、リーディング17問とリスニング17問のCSEスコアを調べます
英検2級リーディングで17問正解はCSEスコア500程度、リスニングで17問正解はCSEスコア490程度であることが分かりました
リーディングとリスニングのおおよそのCSEスコアが分かったら、合格に必要なライティング(W)のスコアを計算します
英検2級一次試験(R、L、W)の合格CSEスコアは1520です
ライティング必要スコア計算例
1520(合格点)-500(R)-490(L)=530(Wで必要なスコア)
次に、ライティングで必要なCSEスコア530が、素点で何点に相当するのかを調べます
再び、CSEスコア換算を見られるサイトに行って近い数字を探し、英検2級ライティングのCSEスコア530は素点で12~13(16点満点)であることが分かりました
ライティング採点の4観点と得点例
ライティングの採点は、内容、構成、文法、語彙の4つの観点別に評価され、各4点満点(計16点満点)です
ライティング12~13点(75~81%)はボーダーなので、もう少し余裕をもって送り出したいところです。例えば14点です
いくら英検のライティングの採点が甘いと言っても、うちの子たちに文法および語彙で4点満点は期待できません。(できるような教育をしてきていません)
と、なると、内容と構成の両方で4点満点を取らないと、合計14点には届きません
採点者(採点AI)によっても採点結果がばらつくことや、問題によっては子供の知識が少ない分野で十分な内容を書けないことも心配です
ライティングで14点を取るのはうちの子たちにはあまり現実的な目標ではなく、やはりリーディングとリスニングを底上げしたいです
約2か月後の英検本番当日までに、ライティングで16点中10点(63%)もらえば受かるくらいのリーディングおよびリスニング正答率に仕上げて送り出したいです
ライティング10点の場合にリーディングとリスニングで必要な点数を調べる
ライティングが10点で合格できるリーディングとリスニングの正解数はどのくらいでしょうか
先ほどの逆を行うと分かります
CSEスコア換算を見られるサイトでみると、英検2級ライティングの素点10点はCSEスコア500位でした
R+L必要スコア計算例
1520(合格点)-500(W)=1020(R+Lで必要なスコア)
リーディング(R)とリスニング(L)のCSEスコアの内訳は不問ですので、お子さんが点数を取りやすい内訳で目標を設定すると良いです。小学生で英検3級以上、中学生で英検準2級以上に挑戦されるお子さんは、リスニングが得意な方が多いと思います
うちの場合は、R、Lの正答率が同じくらいなので、CSEスコア換算を見られるサイトでRとLでそれぞれCSEスコア510が得られる素点(問題正解数)を調べます
リーディングは38問中24問(63%)、リスニングは30問中21問(70%)でした
子供の過去問成績とあわせてみてみると、
リーディング24問(63%)には、
17問(45%)からあと7問UP必要
リスニング21問(70%)には、
17問(57%)からあと4問UP必要
このように分かり、目標設定のヒントになります
ここからは、「では、各技能のどの大問で何個正解数を上げるのか、そのために何を行うのか」という話になります
この一連の作業が面倒な場合は、英検問題で練習は続けながら何回か英検を受けてライティング高得点で合格を狙うのもいいし、細かいことを気にしなくても合格できる力をつけてから受けるのもいいと思います